ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム [DVD]
ディランを知った時、既に彼は神格化されていた。単なる歌い手ではなく時代を創造した特別な存在とされていた。このDVDは、ディランがどうしてそういった存在になってゆくかを知るという面では非常に興味深い作品であった。音楽は高校時代にロックンロールでスタートしたこと。校長先生が途中で幕を降ろしたこと。ミネアポリスの大学に行くが学校には殆ど出ず、ウディ・ガスリーに心酔する。伝統の音楽で現代を歌うスタイルができあがる。そんな時にニューヨーク、グリニッチ・ヴィレッジに滞在する。このほんの2−3か月でディランは変わったという。ヴィレッジは当時のモダン・アーティストの巣窟。詩人としての霊的能力が舞い降りる。口から出る言葉で次々と作品が生み出されてゆく。まさに吟遊詩人。アメリカの正統なフォーク・シンガーの担い手として目されるようになり、公民権運動に加わる。有名なキング牧師の演説が行われたワシントン大行進でも歌った。学生運動、ベトナム戦争で苦しむアメリカの若者が自分達の仲間だと思い始める。音楽以外の側面が肥大化してゆく。しかしディランはやりたいことをやっているだけ。そして「ライク・ア・ローリングストーン」。フォークソングの裏切り者と言われ、ステージに立つ彼に浴びせかける罵声。動揺するディラン。変わり続けるディランにファンもマスコミもいきり立つが、ディランは意に介せず道を突き進んでゆく。このDVDは、ファンの野次が飛び交い、ディランがステージでやり返すようなロンドンでのステージの模様をメインに、関係者の証言とフイルムや写真でディランの実像を浮かび上がらせてゆく。さすがは、マーティン・スコセッシ監督。ボブ・ディランに興味をお持ちの方には是非ともお勧め。できれば続編が見たいところ。
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ウディ・ガスリー わが心のふるさと [DVD]
誠実で力強く、美しい映画だと思う。アメリカが最も貧困に喘いだ時代に、全国を放浪しつつ、無垢の民に勇気と希望を与えたフォーク・シンガーとして、ボブ・ディランに、"私にとって、最初で最後のHERO"と呼ばれたウディ・ガスリー。今作は、彼が故郷のテキサスを離れ、"夢の街"カリフォルニアで見た苛酷で厳しい現実を契機に、プロテスト・シンガーとしての道を毅然と歩き始めるまでの人生に焦点が当てられている。資本家や農場主に劣悪な労働条件と安賃金、否、誇大募集で集められ、職にも就けず、行き場もなく、移民キャンプで野宿暮らしをする人々に、団結とストライキ、ユニオン結成を呼びかけるウディ。でも、本当に感動的なのは、そんな階級闘争的な部分よりも、その誇り高さと平等心と正義感、そして民衆への連帯感(仲間意識)が、静かに、しかし脈々と熱く流れている処だ。ホーボーやヒッチハイク(それは、家財道具一式を詰込んだおんぼろトラックであったり、荷車であったりする)、時にはひたすら広漠した大地を歩きつつ(WALKING,TALKING)放浪を続けるシーンの安穏さ、知り合う仲間たちとの、束の間の友情(恋愛)と別れの潔さを観て欲しい。ラスト、NYに向かう列車に飛び乗るウディの姿に重なる"ディズ・ランド・イズ・ユア・ランド"の歌声に、ウディ・ガスリー本人の魂の叫びに痺れます。吹き替えなしで歌とギターをこなしたデビット・キャラダイン、全編フラッシングを掛け、1930年代の大恐慌期のくすんだパステル・タッチの色調を捉えた、名カメラマンハスケル・ウェクスラー(恐らく、この作品は、映画が誕生して以来、多分最初で最後であろうオープニングのクレジットで、撮影監督が真っ先に紹介される!)と共に、ニューシネマを代表するハル・アシュビーによる、これは70年代の屈指の秀作。
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The Ultimate Collection
今は亡き高田渡御大が音楽制作の上で心の師(個人的感想です)と仰いだと人と思われます。
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ぐでたま コインケース あーだりぃ
ぐでたまは大好きなのですが、なかなか好きなカット、使いやすい品がない中でこれは携帯用ピルケースにしたり、イヤホン入れたりして重宝しています。
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女子大生の下半身 な~んも知らん親 [DVD]
「オールナイトフジ」の放映を翌年に控えた1981年、「女子大生」がブランド化、エロの記号と化していく過程の中で、原作もスタッフも主演の朝吹ケイトも女子大生という画期的かつ先鋭的な作品。確かに前のレビュアーの方が言うように映画表現として稚拙である部分が多いのですが、そもそもは学生映画を日活が購入、ロマンポルノとして公開したので、他のロマンポルノ作品と同じクオリティを求める方が酷かと。テレ東の「TOKYOロックTV」のアシスタントとしてカミっぷりを披露していた朝吹ケイトがやはりこの作品でも素敵な棒読みを披露している。監督の楠田恵子は、後に脚本家となる吉村元希だそうです。
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