十三人の刺客 グッズ

十三人の刺客 映画ノベライズ版 十三人の刺客 (小学館文庫)

 本書は、日本映画全盛期(時代劇全盛期)に作られた集団抗争時代劇の名作『十三人の刺客』〈1963・12・7公開、監督:工藤栄一、主演:片岡千恵蔵〉によるリメイクで現在公開中の映画『十三人の刺客』〈9・25公開、監督:三池崇史、主演:役所広司〉のノベライズである。 谺雄一郎著『十三人の刺客』が旧作の工藤版を基にノベライズ化している事に対し、本書は新作の三池版を基にノベライズ化された内容となっている。 物語の大筋は変わっていないものの内容や人物設定において少し変えており、主人公・島田新左衛門の甥である島田新六郎が女の家に居候する放蕩三昧の道楽者であり、叔父の申し出を断る設定は同じであるものの、旧作(里見浩太朗が好演)では三味線をきっかけに加担する事に対し、新作(山田孝之が熱演)では新六郎の博打好きという設定を効果的に活かして加担する様子が見ていて心地よかった。 また、十三番目の仲間となる木賀小弥太の設定も旧作(山城新伍が好演)では襲撃場である落合宿の住人で地侍の忰であり、心底好き合っている娘の親に認められたいがために仲間に加わる実直な性格に対し、新作(伊勢谷友介が怪演)では新左衛門たちに助けられ、食い物目当てに道案内をし、さらには新左たちの行動に好奇心を持ち仲間に加わろうとする山の民で粗放な佇まいであるもののどこか憎めない性格であるのが特徴的だ。 その意味で旧作版との最も大きな違いは何といっても物語の火種となる明石藩主・松平斉韶の存在であろう。両作を比較すると旧作の斉韶(菅貫太郎が熱演)は、軽はずみに人を殺めて暴君の限りを尽くすも自らの危険が迫ると我が身可愛さに命乞いをして助けを求める人格に対し、新作の斉韶(稲垣吾郎が怪演)は同じく暴君の限りを尽し、猟奇的でありながらもどこか知性ある様子を伺わせ、平静の世に飽き飽きしていた斉韶に自らの危険が及んでもその状況を楽しむ様子や自分の命を守るために大勢の部下たちが命を落としてもその様子に歓喜し、極めつけは常に斉韶の側につき、自分の身を呈して守っていた家臣の首が刎ねられても顔色ひとつ変えずにその首を蹴り返す斉韶の人格には驚嘆せざるを得なかった。  この度、両作品を拝見したが、新左衛門たちの大敵である明石藩主・松平斉韶に関しては圧倒的に本作の存在感が印象的であり、近年の邦画では全く見られる事のできなくなった本当の意味での徹底した冷酷非情な悪役を描いた三池崇史監督とそれを演じた稲垣吾郎氏に拍手を送りたい。 その意味でもラストの命の瀬戸際に残した斉韶の人柄を象徴する最期の言葉も大変よかった。 映画ノベライズ版 十三人の刺客 (小学館文庫) 関連情報

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明石藩主であり、将軍の弟である松平斉韶(稲垣吾郎)は、残忍きわまる暴君であった。その暴虐に耐えかねた老中より密名を受けた島田新左衛門(役所広司)は、その甥(山田孝之)をはじめ、十三人の刺客(松方弘樹、沢村一樹等)を集め、暴君を守る参勤交代の軍を襲撃する策を企てる...全体のストーリーや、少数で多人数を襲撃する方法など、1954年の黒澤明の「七人の侍」によく似ている。と思ったら実は、1963年に十三人の刺客という作品自体が製作されていて、この作品はそのリメイクということ。1963年の作品は見ていないのでわからないけど、公開当時は、あの超名作七人の侍のパクリ映画とか言われたのではないだろうか...?さて2010年の本作品だけれど、とても「当時の古さ」を追求している印象を受けた。時代考証の詳細はわからないけれど、衣装といい家屋といいとてもよく作りこまれているように見える。セット臭さが感じられない。夜のシーンが多く、暗い画面の中でゆらめく蝋燭の明かりに照らされる役者はまるでベラスケスの絵のようだ。また役者の鼻に蝿をとまらせたりととても演出がこまかい。この辺は、クリント・イーストウッドの「許されざるもの」に通じる古さへのこだわりを感じさせる。役所広司のちょんまげはあまり見慣れないけれど、余裕の演技。山田孝之は、電車男をやってた時とは全く違って体が締まって強そうに見える。六角精児まで強そうに見えるからこれはメークと演出の腕前だろうか。残念なのは、悪役の松平斉韶。実在の人物らしいが本人はまったく残虐ではなかったというから、子孫の方々にははなはだ迷惑な話だと思う。子供や女をいじめて殺すという最低のクズなのだが、セリフは、えらい強気なことをのたまうし、一瞬、こやつ、相当の剣豪では?と思わせる場面もある。さて、本当に、どれだけの人物なのかなと見ていてものすごく期待が高まるが...実は...クズならクズらしく態度を貫き通して欲しかった。これは稲垣吾郎のせいではなくてキャラクター設定のミスかと思う。かっこだけの奴という意味でキャスティングされたとしてらこれほど稲垣吾郎にとって不幸なことはないだろう。あと、13人目が不死身でおかしいとかいう話がレビューででているけど、僕は彼を「山の神」と見ました。現代映画ならわからないけれど、63年の映画だからそういう設定もありだと思う。侍が世を仕切っているのにしきりに文句を言っているのは、いずれ侍の世が終わることを暗示しているのだと思うし、13人目というのが、何か「悪魔」みたいな存在を意味しているのかもしれない。だいたい女の扱いがめちゃめちゃですよね。まるで性欲消費の存在だけのように扱っている(さらに笑うにおぞましい場面も)。この辺は、突然天から降りてきたゼウスが人間世界の女にしたことに似ている気がします。いまではこういう描き方はしないでしょうから、やっぱりオリジナルが63年だということを踏まえて見たほうがいいですね。 十三人の刺客 通常版 [DVD] 関連情報

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This has amazing cinematography, and it is one of THE best war movies I've ever seen. Superb acting and some of the best choreographed fight scenes in any movie. This isn't like many modern movies with seemingly invulnerable heroes. Here, the actors fight as if their weapons truly are frightening and deadly. Great movie. 十三人の刺客 [DVD] 関連情報

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 日本映画全盛期に最高潮の集団抗争時代劇を描いた名作『十三人の刺客』〈1963・12・7公開、監督:工藤栄一、主演:片岡千恵蔵〉。本作の脚本家・池上金男こと池宮彰一郎氏(2007・5・6逝去、享年83歳)が『四十七人の刺客』で作家デビューして以来、一編集者として交流のあった著者が、今回映画化〈2010・9・25公開、監督:三池崇史、主演:役所広司〉にあたり、旧作のシナリオを元に書籍化した著者の小説上梓第一作である。 弘化元年(1844年)、十一代将軍家斉の弟である明石藩主・松平斉韶の異常性格と暴虐ぶりが幕閣の知られるところとなっていたが、事情を知らない将軍家が斉韶を老中に抜擢する意向を示したことから、筆頭老中・土井大炊頭は計略を企て、特命を受けた旗本・島田新左衛門以下13人の暗殺部隊が暴君斉韶の命を狙うために決起する。 物語の面白さもさる事ながら本作の見所は何といっても個性豊かな登場人物の面々だろう。刺客集団を率いて大義のために戦う公儀御目付・島田新左衛門、新左衛門の同輩で気心の知れた小野派一刀流の使い手である御徒(おかち)目付組頭・倉永左平太、新左の甥で道楽者である島田新六郎、新左の道場に身を寄せる一流の剣士である浪人・平山九十郎、他にも命を預ける同志・三橋軍次郎、大竹茂助、日置八十吉、樋口源内、堀井彌八、石塚利平、佐原平蔵、小倉庄次郎、襲撃目的地の落合宿に住み、新左の集団に加担する地侍の忰・木賀小弥太、それに対するは、かつて新左衛門と共に道場で稽古に励んだ竹馬の友で今は明石藩主・斉韶様をお守りする好敵手である側用人・鬼頭半兵衛などなど…。 個人的には、新六郎が新左の暗殺集団に加わる決意を秘め、恋人である芸者・小えんに別れの挨拶を告げる場面は印象深く、また、新左の企みを嗅ぎつけた半兵衛が新左の元に現れ、昔話に咲かせて牽制する駆け引きや大名行列の道中の襲撃に備える新左衛門と半兵衛の頭脳戦を張り巡らせる展開は面白い。ただ、幼なじみの親友である新左衛門と半兵衛がそれぞれ立場の違いから戦い合わねばならない宿命にどこか切なく、だからこそお互い親友だった頃を思い浮かべて語り合う最期に心を魅かれた。あの世でこそ、真に語り合える二人の友情を思い浮かべて…。 十三人の刺客 関連情報

十三人の刺客 十三人の刺客 (ビッグコミックススペシャル)

途中までは面白かったし、絵の雰囲気もよかったんですが、最後のほうになると、駆け足で、なんかキャラクターが生かされていなかった感じです。漫画家の方は一生懸命やってらっしゃると思うし、すごくよい雰囲気だったんですが、いかんせん、この作品を1巻でまとめるのは無理があります。やはり短期連載で3巻くらいでやればすばらしいものが出来たと思うので、もったいないなあと思います。 十三人の刺客 (ビッグコミックススペシャル) 関連情報




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