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ファテー Shahen-Shah

ヌスラト・ファテー・アリー・ハーン(1948〜1997)の声を「ヴェルヴェットの炎、舞い上がる鳥、天空そのもの」と表現したのはこれまた伝説のシンガー、ジェフ・バックリーだ。ちなみにジェフ・バックリーはヌスラト・ファテー・アリー・ハーンと同じ1997年に入水自殺を疑われる亡くなり方をした。どちらも早世だった。ヌスラト氏の場合、「過労死」ではないかと私は勘繰っている。殺人的な公演スケジュールを何十年も続けていた。頼まれるとノーと言えない人柄だったらしいのだが、今さらだが、周囲の人間にふと不信感を覚えたりもする。まあ言っても仕方がない。ヌスラト氏の作品群は膨大過ぎて「整理作業が悪夢のよう」と言われる。おまけにほとんどのタイトルがウルドゥ語かパンジャブ語かペルシア語なのでもう何がなんだか状態である。取り敢えず、ワールドミュージック系のシンセサイザー入りのアレンジ物は個人的にはパスである。そして英語タイトルの曲も要注意かな、と。彼の真骨頂はおそらく信者の集いでの即興入りパフォーマンスで、スタジオ録音よりライブの方が本来の世界なのは間違いない。ゆったりと入り次第にアドレナリンが上昇し、ヌスラト氏が自由自在に聴き手を操っていく醍醐味は20分超の曲でないと味わえない。本作は全曲10分以上で、欧米ポップス系のアレンジは一切なし、純粋なカッワーリー(スーフィー歌謡)のスナップショットになっている。アルバムタイトルに「王」という言葉が入っているようだが、ピッタリだ。 Shahen-Shah 関連情報




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